ITIN (個人用納税者番号)とは?
ITINとは?
ITIN (Individual Tax Identification Number) とは、SSNの取得資格のない方に、納税申告用として米国の税務当局であるIRSから発行される個人用納税者番号です。
ITINは何に使うの?
納税者番号ですので、Federal及びStateの納税(タックスリターン)に対してのみ使用されます。単なる米国の税務当局の管理番号に過ぎないため、当該番号を取得したからといって米国での働く権限や社会保障を受けられる権限があるというわけではございません。
誰がITINが必要なの?
納税用の番号ですので、納税の報告義務はあるがSSNを取得することのできない以下のような方たちが取得いたします。
―米国でタックスリターンを提出する必要のある方
―上記タックスリターン提出義務者の配偶者又は扶養家族
―米国でのビジネスに伴い銀行口座の開設が必要な方
―米国の投資会社、生命保険会社、金融機関より配当、年金、ロイヤリティー等を受け取る方等
税法上の居住者でタックスリターンの申告義務がある場合、その配偶者のSSN又はITINの取得は必須となっております。また、子供の扶養控除を申告するためにもSSN又はITINの取得は必須となります。
どうやってITINを取得するの?
IRSが提供する申請書Form W-7, Application for IRS Individual Taxpayer Identification Number,を利用して申請します。W-7には正式な身分証明に関する資料の添付が必要であり、一般的にパスポートの公式なコピーを添付致します。パスポートの公式な証明書は在米大使館や領事館で取得することが可能で、手数料はUSD 19です。パスポート以外の証明書については申請書の説明のSupporting Documentation Requirementsをご参照ください。また、お子様のITINを取得する場合にはSchool RecordやMedical Record等の米国居住であることを証明する書類が追加で必要になります。
繰り返しになりますが、ITINは納税用の番号ですので、納税に必要と判断された場合に発行がなされます。従い、上記W-7、身分証明に加え、通常その年のタックスリターン書類を添付してIRSに送付することになります。それ以外の目的で例外的にITINが必要と判断されるケースについては申請書の説明のExceptions Tableをご参照ください。
よくある例としては、日本在住で米国不動産を購入されるケースです。非居住者が不動産賃貸収入を得る場合、原則として家賃を支払う者又は不動産管理会社は家賃の支払いに対して源泉徴収を行う必要がございます。この源泉徴収を防ぐためには、ITINの提示が必要になるため、タックスリターンよりも前にITINの申請をされる方が多くなっています。この場合、不動産管理会社からProperty Managment Letterを入手する必要があります。
どのくらいで取得できるの?
IRSに提出してから7週間以内にITINの記載されたNoticeが届きます。
電子申告は可能?
ITINの取得年は、W-7等を添付する必要があるためFederal tax return(連邦税申告書)については電子申告を行うことはできません。タックスリターン書類作成後、当該書類をプリントアウトし、下記住所に郵送することになります(2024年11月現在)。
Internal Revenue Service
Austin Service Center
ITIN Operation
P.O. Box 149342
Austin, TX 78714-9342
または、Designated IRS Taxpayer Assistance Centersに直接提出することも可能です。
但し、State tax return(州税申告書)については、電子申告のみを受け付けており、紙で提出することが認められていない場合がございます。電子申告をする際にはSSN又はITINが必須となるため、一旦Federal Tax Returnのみ紙で提出し、ITINが届いた後State Tax Returnを別途電子申告することになります。
ITINの取得準備が間に合わない場合は?
タックスリターンはどなたでも延長することが可能です。通常タックスリターンの申告期限は4月15日ですが、延長申請を行うことで期限を10月15日まで伸ばすことが可能です。
誰かに相談したい場合はどうすればいい?
UNIVIS AMERICA LLCではお客様の米国税務に関する疑問や悩みを随時受け付けております。無料相談も実施しておりますので、まずはお気軽にご連絡(info@univis-america.com)ください。
監修者
小林 賢介
早稲田大学政治経済学部を卒業後、 有限責任監査法人トーマツのグローバルサービスグループ部門に入所。 2015年8月よりDeloitte NYに駐在。 その後、ニューヨークにて UNIVIS AMERICA LLC(Univis US)を立ち上げ、同所長に就任。