アメリカの給与明細解説
自分の給与明細を見て、「色々引かれてるけどこの項目はなんだろう?」と思うことはないでしょうか。今回は普段見慣れないアメリカの給与明細の控除項目を解説していきます。
アメリカの給与控除(税金等)にはどんなものがあるの?
州や企業により少し異なりますが、代表的には以下のような項目が控除項目となります。
- Federal Income Tax
- State Income Tax
- Local Income Tax
- Social Security Tax
- Medicare Tax
- SDI (State Disability Insurance)
- FLI (Family Leave Insurance)
Federal Income Taxとは?
国に納める所得税です。所得水準に応じて税率が変わります。
State Income Taxとは?
州に対して納める所得税です。日本では所得税は国に納めるのみで自分の住んでいる地域(都道府県等)には住民税を納めます。一方、アメリカでは住民税という概念は存在せず、所得税を国及び州それぞれに納めることになります。
州によって法律が異なり、通常所得水準に応じて税率が変わります。また、テキサスなど所得税のない州も存在します。
Local Income Taxとは?
地域(市、町等)に対して納める所得税です。所得水準に応じて税率が変わります。全ての地域に存在するわけではなく、一部の地域でのみ発生いたします。例えばニューヨーク州においては、New York City (Manhattan, Queens, Brooklyn)でのみLocal Taxが課されますが、その他の地域では課されません。
Social Security Taxとは?
Social Security Tax (社会保険税)とは、老齢年金、遺族年金、障害年金の資金を捻出する為に設けられた税金です。日本から一時的に来られている方は実質的な恩恵は受けられない方がほとんどですが、全員に負担義務があります。従業員と雇用者がそれぞれ給与の6.2%を納付します。グロス給与USD 128,400が上限でそれ以上の支払いはありません(税額ベースでUSD 7,960.80)。
Medicare Taxとは?
Medicare Tax(医療保険税)とは、高齢者または障害者の医療保険料の資金を捻出する為に設けられた税金です。Social Security Tax同様、全員に負担義務があります。従業員と雇用者がそれぞれ給与の1.45%を納付します。Social Security Taxと異なり、収入上限はなく、常にグロス収入の1.45%の支払いが必要となります。
Social Security TaxとMedicare Taxは別名FICA税と呼ばれております。FICA (Federal Insurance Contributions Act) 税は日本の厚生年金保険にあたる制度で、社会保険と医療保険の資金調達を目的とした税制として知られています。
State Disability Insuranceとは?
SDIとは、職務と関連性がないけがや事故、もしくは妊娠・出産による障害が発生した場合に、一時的にキャッシュベネフィットが提供される保険です。ニューヨークやニュージャージー、カリフォルニア、ハワイ等一部の州でのみ強制加入となっております。金額は州により異なります。従業員と雇用主の双方負担が原則ですが、ニューヨーク州では企業が全額負担することもでき、従業員負担がゼロの場合もございます。
Family Leave Insuranceとは?
FLIは上記のSDIを家族まで拡大したベネフィットで、従業員が一人でもいる雇用者は強制加入となっています。加入の手続きや保険料支払いはSDIと一緒に行われるので別途特別な手続きをする必要はございません。金額は州により異なりますが、ニューヨーク州では収入に対して0.126%で年間の上限がUSD 85.56となっております。